こんばんは。
ぷんじです。
孤独なカラスの工房へようこそ。
「ひとりで大丈夫？」
私は以前、およそ１０年ほど、製造系の人材派遣会社で派遣する従業員のマネジメントをする、いわゆる「番頭」の仕事をしていました。
あるクライアントで割とまとまった人数を管理していたので、そこの事務所の一角を間借りして、毎日気を遣いながら仕事をしていました。
１日の仕事の締めくくりとして、業務報告書を書いて営業所長宛にメールしなければならず、毎日夜遅くまで現場に残って働いていました。
このクライアントは二交代制の会社で、夜になると間借りしている事務所はほとんど人の出入りがなくなり、少し不気味でした。
その日は新規採用の従業員の導入教育やら、現場のクルーム対応やらでいつもより忙しく、業務報告書に手をつけたのは２２時を過ぎた頃でした。
事務所を隔てたすぐ向こうは作業エリアとなっていて、確かに人の気配を感じることができていたのですが、突然私の耳元で…
「ひとりで大丈夫？」
と女性の声がしたのです。
全身総毛立ち、開いていたパソコンを引っ掴んで急いで現場を出ました。その後のことはあまりよく覚えていません。
翌日、お客さんにその話をすると、たびたび同じようなことが起こっているらしく、特に驚いた様子もありませんでした。「なんだ。君も聞いたのか」…そんな具合です。
その日以来、その事務所にひとりで残るようなことはしなくなりました。
あなたは私と同じような、いや、私よりもっとすごい体験をしたことはありませんか？
それでは今夜も孤独な夜を。
